top of page
​風の歌

明け方頃に冷たいドアノブをひねった

傘はもういらないみたいだ

水たまりに映った世界が

あまりに広くて僕は吸い込まれそうだよ

Ah …

息を吸って

 

息を吸って

 

吐き出す時少し躊躇うのは

 

思いの丈を載せる用意が できてないから

 

 


 

見上げた青の真ん中に

指で線を引いた意味なんてなかったけれど

走る事も叫ぶ事ももうしないから

今は頷き歩く事だけ

Ah…

息を吸って

 

息を吸って

 

吐き出す時心を吹き抜けて

 

やがて届く時に風は

優しい歌になる

bottom of page